

Classmate株式会社 代表取締役の井坂浩章氏が取り組むのは、フィリピンの若者と日本の子どもたちをつなぐ“新しい学びの場”づくりだ。

Classmate株式会社 代表取締役 井坂 浩章氏
フィリピンを選んだ理由は明確だという井坂氏。アジア各国を回った中で、英語力の高さと教育産業の伸び率は群を抜いていた。そこに日本の子どもたちの学びを掛け合わせることで、互いにポジティブな循環を生み出せると考えたという。
仕組みとしては、メタバース空間に“教室”があり、日本とフィリピンの子どもたちが教室内を自分のアバターで自由に動く。自発的に他の学生に声をかける子もいれば、気後れしつつ周囲を観察する子もいる。
この仕組みではオンラインで出会い、リアルで会って距離が縮まり、さらにまたオンラインに戻って深くつながるという独特の循環を生んでいるそうだ。「リアルとオンラインが溶け合う」という設計だ。

日本の学校向けには英会話、国際交流、スタディーツアーをセットで提供し、5年をかけてようやく現在の形にたどり着いたという。フィリピンの学生にとってもメリットは大きい。海外との交流経験を無料で積み、証明書を発行することで進学時の実績として活用できる。こうした“双方のwin”が、導入校の増加につながっている。
一方で、壁もある。「費用を確保できない」という学校の課題だ。それでも、子どもたちの家庭環境に関わらず機会を提供したい——そんな想いで、町長を含む自治体関係者が導入を後押しする例も出ているという。
プレゼン後、家入氏は井坂氏の挑戦を、「学びの障害となる壁をテクノロジーで打ち破っている」と評価した。

